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混合ワクチンって打たないといけないの?【獣医師 小林先生のコラム】vol.79・80

【獣医師 小林先生のコラム】vol.79・80

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ケーキ開発の際に食材や犬猫にとっての栄養等でアドバイスを頂きました、モノカどうぶつ病院 院長 小林先生のご協力のもと、大切なご家族であるワンちゃん、猫ちゃんの健康についてのコラムを定期的にメールマガジンとして配信いたします。ワンちゃん、猫ちゃんの健康管理の一助にしていただければ幸いです。

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https://www.monoca.jp/

夏が近づくとレジャーでのお出かけも多くなり、ペットと泊まれるホテルやペット同伴OKのキャンプ場なども増え、ワンちゃんと楽しく過ごしたいという飼い主さんもいらっしゃるでしょう。

 

今回は、ペットホテルやキャンプ場を利用する際に求められるワンちゃんの混合ワクチンについてのお話です。

 

◆ 混合ワクチンって打たないといけないの?

 

犬の飼い主さんに法律で義務付けられている狂犬病予防注射と異なり、犬の混合ワクチンは法律上の接種義務はありません。

 

ですがワンちゃんとの不自由ない生活をしようとすると、おのずと接種が必要になってきます。

 

世界的にこれだけは予防しましょうと言われている感染症として、

①人間も感染する狂犬病、

➁犬ジステンパーウイルス感染症、

③犬パルボウイルス感染症、

④犬伝染性肝炎(アデノウイルス1型)、

⑤犬アデノウイルス2型感染症の5つ(ウイルス種としては4種)があり、これらを予防するワクチンをコアワクチンといいます。

 

コアワクチンに含まれる感染症は発症すると犬の命に係わるため、不特定多数の人やワンちゃんと交わる場合、最低でもこの5つの感染症を予防することが推奨されています。

したがってペットサロン、ペットホテル、ドッグラン、キャンプ場など、さまざまな施設を利用するにあたり、ワクチン接種証明書または抗体陽性証明書の提出を求められることがほとんどです。

 

つまり日本では狂犬病以外のコアワクチンは義務ではありませんが、ワンちゃんと色々な場所で楽しむためには、混合ワクチンの接種が必要となる場面が多いということです。

 

 

◆ 混合ワクチンにはどんな種類があるの?

 

狂犬病は他の感染症と混合されることはなく、狂犬病不活化ワクチンという単味のワクチンです。

 

狂犬病以外のワクチンには、

ジステンパーとパルボが混合になった子犬向けの2種弱毒生ワクチン、

これにアデノ2種とパラインフルエンザが加わった5種弱毒生ワクチン、

さらに犬コロナウイルス感染症の予防が加わった6種弱毒生ワクチンがあり、

日本で狂犬病以外にコアワクチンに当たるのは5種弱毒生ワクチンです。

 

パラインフルエンザやコロナウイルスのように、必ずしも接種の必要がないけれども、生活環境などによって接種が推奨されているワクチンをノンコアワクチンといいます。

 

これらは単独では命を落とすような危険性は低いですが、他のウイルスや細菌と同時に感染すると症状が重たくなるため加えられています。

 

ノンコアワクチンにはレプトスピラ症という細菌感染症の予防をする2種または4種不活化ワクチンもあります。

 

レプトスピラという細菌としては1種ですが、血清型の違う2種または4種が含まれるため多価ワクチンと呼ばれ、狂犬病のよううな単味ワクチンとは異なります。

 

そして一般的には6種ワクチンにレプトスピラの2種が加わった8種混合弱毒生・不活化ワクチン、4種が加わると10種混合弱毒生・不活化ワクチンがあり、これが最大数のワクチンです。

 

◆ ワクチンのメリットは?

 

ワクチンは、そこに含まれる感染症から確実に犬を守ってくれます。たとえ感染しても命を落とすほどの状態にはならずに済みます。

 

そしてコアワクチンである5種を接種しておけば、たいていの施設の利用が可能です。

 

 

今では国内のワクチン接種率が増加したことで感染症の発生そのものが減っているとはいえ、不特定多数のワンちゃんと触れ合ったりする場合には、最低でも5種ワクチンの接種をするほうが良いでしょう。

 

また、5種ワクチンであれば抗体検査で対応も可能です。

 

8種に含まれるレプトスピラは、狂犬病と同じように人を含むほぼすべての哺乳動物が感染し、感染動物の尿が水や土を汚染することでそこが感染源になります。

 

水だけでなく湿っていれば土の中でも自由に動ける性質を持っており、汚染された水や土に触れた野菜や食品などを口にしてしまって感染する経口感染のほか、水や土に触れた人や犬の皮膚からも体内に侵入することができます(経皮感染)。

 

湿った土の上を裸足やサンダルで歩いたり、ラフティングや川下りのような水系レクリエーションで水に入る場合は皮膚からの感染、都会でもネズミの多い飲食店街などで、糞尿で汚染された食品や水が感染リスクとなります。

 

時には洪水で浸水した川の水や、豪雨などで下水から上がってきた水も危険です。

 

レプトスピラに感染すると急激に症状が進行して亡くなるタイプもあるため、感染リスクがある場所へ行くなら予防をしておきたい感染症です。

 

ただし、5種や6種と異なりレプトスピラを含む8種以上のワクチン接種には少し注意が必要です。

 

◆ ワクチンのデメリットは?

 

ワクチンは、感染症から身を守ることができるメリットがありますが、いっぽうでやはり望ましくない反応(副反応)がみられることもあります。

 

本来は感染症予防のために健康な体に接種するものなのに、接種することで健康な体を損なったり、あるいは最悪の場合にはアナフィラキシーショックという最も重たい副反応が起きて命を落とすこともあります。

 

犬でいちばん副反応が少ないのは狂犬病ワクチンと言われています。次に2種や5種ワクチンです。

 

 

これらと比較するとレプトスピラの2種または4種の多価ワクチンは副反応が出やすく、それを含む8種以上のワクチンも同様です。

 

特にミニチュア・ダックスフントは8種以上のワクチンで副反応が出やすいことがよく知られており、気軽に接種できない実情があります。

 

また、8種ほど多くはないですが、5種ワクチンでも副反応が出てしまう体質の子もいますので、副反応はどのようなワクチンにもあり得るという認識が必要です。

 

今回はワンちゃんのワクチンについての解説ですが、猫では不活化ワクチンの接種で接種後肉腫というしこりができることがあり、非常にタチの悪い悪性腫瘍のため海外では安楽死が選択されることもあります。

 

たくさんの感染症を予防できるのは望ましいことですが、その分副反応のリスクも増えるので、それぞれの感染症について正しく理解し、ワクチンを接種するメリットが副反応のデメリットを上回るかどうかを考えて接種を決めてあげてください。

 

 

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