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ケーキ開発の際に食材や犬猫にとっての栄養等でアドバイスを頂きました、モノカどうぶつ病院 院長 小林先生のご協力のもと、大切なご家族であるワンちゃん、猫ちゃんの健康についてのコラムを定期的にメールマガジンとして配信いたします。ワンちゃん、猫ちゃんの健康管理の一助にしていただければ幸いです。
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春から夏前にかけて日々の気温が予測しづらく、ここ数年は全国的に4月でも夏日を記録する日があったり、そうかと思うと夜は10℃以下に冷え込んだりと朝晩の寒暖差が激しい日もあります。
飼い主さんが日中お仕事をしている場合、ワンちゃんや猫ちゃんはお留守番になることが多いですが、夏日という予報を見ても朝晩は涼しいため、人がいない時間の異常な室温上昇に気が付きにくいことがあります。
電気代も高騰している昨今、エアコンの使用にはまだ早いと思って留守中はセットしない人も多く見うけられますが、体がまだ暑さに慣れていないこの時期にこそ温度管理がとても大切なのをご存知ですか?
真夏に多い熱中症は、症状も急性でわかりやすいため動物病院での処置も素早く行うことができます。しかも熱中症は世の中に比較的よく周知されてきているため、真夏になると留守中もきちんとエアコンをセットしてお出かけする飼い主さんが増え、最近は犬猫の熱中症はあまりみかけなくなりました。
いっぽうでここ数年は真夏より少し前、まだ涼しい日もある春先から夏前のこの時期に、暑さが原因だろうと思われる体の不調を疑うケースがとても多くなりました。
私はこれを犬猫の「暑さ負け」とか「高温疲れ」と呼んでいますが、最初から診断できるわけではありません。
暑さ負けを疑うのは、
● ここのところなんとなく元気がない
● 動きが悪い
など飼い主さんの違和感のみのケースや、
● 食べる勢いがないように思うけれど結果的に全量食べたし…と様子をみているうちに、急に食べなくなった
● 便が緩くなってきた
などで来院するケースです。
症状が漠然としているので飼い主さんだけでなく獣医師も「なんだろうねぇ…」と困ってしまいますが、飼い主さんへの聞き取りで、
● 春や梅雨時なのに暑い日があったが季節的には窓だけ開けてエアコンなしで留守番していた。
● お天気が良いのでお散歩に出かけて、公園で犬友達とお話しているうちに結構長い時間太陽にあたっていた。
など思い当たるフシがあったりします。
かといってそれだけで暑さ負けだと判断するわけにはいかないので、通常こういったケースでは不調の原因となる病気がないか調べるために検査をすることになります。
暑さ負けの場合はあれこれ調べてみてもどこにも悪いところがなく、しいて言うなら軽度脱水くらいの異常しかみつからないことがほとんどです。
最終的に「どこもなにもないから暑さ負けかもしれませんね」と仮診断してみることになります。
これを除外診断といいますが、目立った病気が「ない」ことをある程度お墨付きにしないといけないので、検査も広範囲になり費用や日数がかかることもしばしばです。
例えば嘔吐など明らかな症状がある場合は血液検査とレントゲン検査など、まずは最低限の検査に絞ることができます。
でもなんとなく元気がないという症状はあらゆる病気で起こり得るので検査の優先順位を絞り込むことができません。検査の結果何も見つからなければ、原因不明の体調不良ということになるわけですが、飼い主さんへの聞き取りや季節から、暑さ負けを疑うことができるというだけであり、確定診断ができるわけではありません。
暑さ負けと仮診断した場合、水分補給や室温管理などを改善してもらいます。そうすると徐々に回復して数日たつと元通り元気いっぱいというケースがほとんどです。
本当に暑さが原因だったのかどうかはわかりませんが、重い病気なら徐々に悪化したり検査数値に異常がでたりすることが多いので、検査に異常がなく、季節や聞き取りなどから暑さが原因かもと思うケースでは「暑さ負け」を疑ってみることにしています。
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