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ケーキ開発の際に食材や犬猫にとっての栄養等でアドバイスを頂きました、モノカどうぶつ病院 院長 小林先生のご協力のもと、大切なご家族であるワンちゃん、猫ちゃんの健康についてのコラムを定期的にメールマガジンとして配信いたします。ワンちゃん、猫ちゃんの健康管理の一助にしていただければ幸いです。
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最近サプリメントが話題になっていますね。サプリメントは栄養補助食品とも呼ばれ、人では国が定めた分類で細かく呼称が決められているものの、まだまだ曖昧な部分がたくさんあります(厚生労働省の健康食品やサプリメントの名称についての資料 https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/dl/pamph_healthfood_d.pdf
獣医分野では人間でいう栄養補助食品、健康食品に相当するものが主体で、特保や機能性食品と呼ばれるものはありません。
今回は人とペットにとってのサプリメントに対する考え方、本当に効くのか、どいういう種類がありどういう時に取り入れるものなのか、5月号と6月号でちょっと解説してみようと思います。
さて、前回はサプリメントというものについて問題提起しました。
サプリメントを選ぶときに同じ成分を含むものでも天然由来のサプリと主成分を抽出された合成のもの、どちらが良いのでしょうか。
前回の話題に登場した関節に良いとされるサプリ、古くは「緑イ貝」という貝の殻を使った有名なサプリがありました。
オーストラリアの先住民アボリジニには関節炎を抱えている人が少ないことに目を付けた研究者が、アボリジニが緑イ貝を取り入れていることを知ってサプリにしたのがきっかけと言われています。
緑イ貝はムール貝やムラサキガイの仲間で、プロテオグリカンという成分を豊富に含んでおり、プロテオグリカンはコンドロイチンもプロテオグリカンの仲間であることから、それではその有効成分だけを抽出したほうがより効果があるのではということで、抽出されたコンドロイチンなどを含む合成サプリが主流になりました。
でも一部では、緑イ貝の中に含まれる何らかの他の成分との相互作用が必要で、抽出したコンドロイチンでは効果がないと言う意見もあります。
≪画像はイメージです。≫
確かに前述したように、普通にコンドロイチンを経口摂取しても吸収されないことも多く、それは分子量の大きさなどが主な理由ですがどうやらそれだけではないかもしれません。
ただ緑イ貝を安定供給するのはコストがかかり、天然素材の緑イ貝サプリメントは高額になりがちです。
ところでビタミンCも医療行為として点滴で直接血管内に入れるならともかく、錠剤やドリンク剤などは製造過程で熱が加えられたりしていることから効果はあまり期待できないと思われます。
しかもビタミンCは可溶性ビタミンでたくさん摂取しても尿に排泄されてしまいますし、空腹時に多量に摂ると吐き気や胃のむかつきなどがでることもありまs。
ビタミンCの吸収には、果物や野菜など自然の食品に含まれる他の成分がかかわっているいるとされており、できるだけ通常の食事から摂取するか、サプリを利用する場合も食事と一緒に摂ることが望ましいとされています。
では天然のものを使うほうが良いのか?と言われるとそれはそれでケースバイケースでしょうか。
天然とか自然由来などと聞くととても良いもののように思われるかもしれませんが、思わぬ成分の混入などを考えると、衛生的な管理を徹底した無菌室のようなところでしっかり抽出されたもののほうが安全といえるかもしれません。
また、天然由来の植物などは含まれるすべての成分がわかっていないものもありますし、季節によって含まれる栄養素のバランスも一定していません。動物由来の成分を含むサプリの場合はその動物が健康であったかどうかも不安材料のひとつになります。
近年では環境汚染などの心配もあり、岩塩や海塩は塩化ナトリウムだけでなくマグネシウムや亜鉛などのミネラルが豊富で味がマイルドと言われていますが、そこに含まれる汚染物質も一緒に摂ることになるので、だとしたら塩化ナトリウムだけを抽出したいわゆる「食卓塩」が安全なのかもしれません。
余計な成分が入っていないことに価値を見出す人もいれば、何が含まれているか全てはわからないけれども、自然そのままの食材のほうが良いという人もいるでしょう。
こればかりは個人の好みというしかなく、どちらが良いとは言い切れない面がありますね。
次回6月号は、人気のサプリの成分についての解説や、ペットにとってのサプリの使い方などを解説します。
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